「浄土三部経」(57)

  世界を最微小の原子のごとく、
  打ち砕いて微塵となしたとしよう。
  その〔微塵の数〕よりもさらに多くの世界を
  宝石で満たして、それらを布施する者があったとしよう。

  これらの夥しい世界も功徳をもたらすけれども、
  しかし、この世において、ただ
  <幸あるところ>という世界の名を聞いただけで生ずる功徳の
  極く小部分にも及ばず、比べものにさえならない。

  勝てる者(=仏)のことばと想いを信ずる人々の福徳は、
  これよりもなお多いであろう。
  そのわけは、信こそは世の人々にとって<幸あるところ>という世界に到達するための根本であるからである。
  それ故に、わたしのことばを聞いて疑いを除くべきである、と。