「浄土三部経」(27)

 35 わたくしが覚りを得た後に、あまねく無量・無数・不可思議・無比・無限量の諸仏国土にいる女人たちが、生を脱してからふたたび女人の身をうけるようなことがあったら、その間はわたくしは、<この上ない正しい覚り>を現に覚ることがありませんように。


 この第35願は、法然上人により「女人往生の願」と呼ばれている。『無量寿経』成立の後に追加されたものらしい。そう言えば、どことなく文体が異なる。


 〔35’ もしも、わたくしが覚りを得た後に、あまねく無量・無数・不可思議・無比・無限量の諸仏国土の生ける者どもが、わたしの名を聞いて、覚りの本質の究極に至るまでの間、浄らかな行ないを実行するようにならないようであったら、その間はわたくしは、<この上ない正しい覚り>を現に覚ることがありませんように。〕