廣松渉「今こそマルクスを読み返す」(4)

「人々は、人間を意識によって、宗教によって、その他お望みのものによって、動物から区別することができる。人間は自分たちの生活手段を生産しはじめるや否や、彼ら自身、自分を動物たちから区別しはじめる。……彼らの身体組織によって条件づけられている一歩の踏み出し。人間は生活手段を生産することによって、間接的に自分たちの物質的生活そのものを生産する。−−人間が生活手段を生産する様式は、さしあたり、既存のそしてまた再生産すべき生活手段そのものの特質に依属する」。