18.仮名法語
法然に「選択本願念仏集」あり、親鸞に「教行信証」あり。
「一枚起請文」は「選択集」の万語が一枚に結晶され、浄土門の要旨がここに凡て含まれている。この一枚を得るために、「選択集」がその用意をなした。
「勅修御伝」(「上人行状図絵」の第21〜24章までの法語の巻)も短い仮名法語を集めて人口に膾炙されている。
親鸞は「教行信証」より「歎異抄」。
また、「安心決定鈔」は顕意上人(西山派深草義)の作。
一遍には著作が残っておらず、時宗には依るべき本典は何もない。ただ六字があればそれでよいと、死が近づくのを知った一遍は書きもの一切を焼きすててしまった。