柳宗悦「南無阿弥陀仏」(20)その2

 一遍「法語集」
 念仏の機に三品あり、上根は妻子を帯し家に在りながら、著せずして往生す。中根は妻子を棄つるといへども、住処と衣食とを帯して、著せずして往生す。我らは下根の者なれば、一切を捨てずば定めて臨終に諸事に著して往生し損ずべきなりと思ふ故に、かくの如く行ずるなり。

 上根は親鸞、中根は法然、下根は一遍のこと。