「経済学批判」(3)

 マルクス「経済学批判」
 エンゲルスの書評につづいて、附録二として採録されている「経済学批判の準備ノート」を読む。


 1857年のはじめから1858年6月までに「批判」の下書きを含んで7冊のノートが書かれた。ここに採録されたのは、その第二分冊であり、著述しようとする覚えとして、単語が羅列してあり、本体の内容、というか、構成の概略を、おぼろげに暗示している。ただ、次の部分は印象深い。
 資本の作用はまた、土地所有の古い形態を分解することとしてもあらわれる。同様に、新しい土地所有は、古いそれにたいする資本の作用をつうじて成立する。近代的土地所有の経済的関係においては、この関係は、地代−−資本−−賃労働、という過程としてあらわれる、(推論の形式は、別様にも、つまり賃労働−−資本−−地代、としても表現されうる、しかし資本は、いつも働きかける中間項としてあらわれなければならない)、したがって、この関係は、近代社会の内的構造であり、つまりその諸関連の全体性のうちにおかれた資本である。