「経済学批判」(0)

hanadahidejirou2006-09-12

 いよいよ「経済学批判」を読もうと思う。いや、少し逡巡している、というのが正確か。足がすくむのは、この先には「資本論」しかないからだ。
 マルクス自身、「資本論」第一版への序言で、「わたくしが読者に第一巻を提供しようとするこの著作は、1859年に公にされたわたくしの著作『経済学批判』のつづきである。ここにあげたかつての著作の内容は、この巻(秀註=「資本論」第一巻)に要約されている」と述べ、両著作の関係を示している。
 さらに、「資本論」第二版では、この同じ部分が、篇別、叙述、ともに改められている。つまり、マルクスはこの<資本について、商品・貨幣または単純流通>を三度書いたことになる。


 マルクスが経済学を研究するにいたった動機は、三つある。
1.「ライン新聞」主筆としてあつかった物質的な利害関係の事件について、自信の考え方を整理する必要があったこと
2.フランス社会主義について判断を下す必要があったこと
3.「ドイデ」において明確化した唯物論歴史観を科学的に検証する必要があったこと
である。