「賃銀・価格および利潤」(24)

 十四
 (二)労働日の制限についていえば、それは法律的干渉によらないでは決して確定されなかった。外部からの労働者のたえざる圧迫なしには、この干渉は決して行われなかったであろう。だがとにかく、この結果は、労働者と資本家とのあいだの私的な取極めでは得られるはずがなかった。一般的な政治的行動のこうした必要そのものは、単なる経済的行動では資本の方が強いということを証明するものである。
 資本制的生産の一般的傾向は、賃銀の平均水準を高めないで低めること、換言すれば、労働の価値を多かれ少なかれその最小限に圧下することにあるのである。標準賃銀獲得のための彼等の闘争は、賃金制度全体と不可分な事象だということ、賃銀を値上げさせようとする彼等の努力は、百のうち九十九までは、与えられた労働の価値を維持しようとする努力に他ならぬということ、および、労働の価格について資本家と争う必要は、自分を商品として売らねばならぬという彼等の状態に内在するものだということ、−−こうしたことはすでに明らかにしたつもりである。もし彼等が、資本との日常闘争において卑怯にも退却するならば、彼等は必ずや、何らかのより大きな運動を起すための彼等自身の能力を失うであろう。