「賃銀・価格および利潤」(23)

 十四 資本と労働との闘争とその結果
 (一)資本と労働とのこの絶えざる闘争において、どの程度まで後者が成功するだろうか。−−他のすべての商品についてと同じく、労働についてみても、その市場価格は、長期間にはその価値に適応するであろう、したがって、あらゆる騰落にもかかわらず、また労働者が何をしようと、彼は平均的には、彼の労働の価値−−これは彼の労働力の価値に帰着し、この労働力の価値はその維持および再生産に要する必需品の価値によって決定され、この必需品の価値は結局、それを生産するに要する労働の分量によって規制される−−だけを受取るであろう。
 労働力の価値は二つの要素によって形成される、その一方は単に生理的なものであり、他方は歴史的または社会的なものである。その究極の限界は生理的要素によって決定される。
 だが利潤については、その最小限を決定する法則は存在しない。その低落の窮極の限界がどこであるかは、明言できない。けだし吾々は、賃銀の最小限は確定しうるが、その最大限は確定しえないからである。利潤の最大限は、賃銀の生理的最小限および労働日の生理的最大限によって局限されている。明らかに、この最高利潤率の二つの限界のあいだには厖大な差等が存在しうる。その現実の程度の確定は、資本と労働とのあいだの絶えざる闘争によってのみ定まる。
 事態は、闘争者たちのそれぞれの力の問題に帰着する。