「賃銀・価格および利潤」(20)

 十三
 (三)吾々は今まで、労働日の限界は与えられているものと仮定してきた。だが、労働日それ自身は不変の限界を持っているわけではない。資本の普遍的傾向は、肉体的に可能な最大の長さまで労働日を延長することにある。というわけは、それと同じ程度において、剰余労働が、したがってそこから生ずる利潤が、増加するだろうからである。
 労働者たちは、労働者をかつての合理的な長さに短縮しようとする企てにおいては、また彼等が標準労働日の法律的確定を強要しえない場合、賃銀の値上げ−−すなわち、搾り取られる剰余時間に比例するだけでなく、より大きな比率での値上げ−−によって過剰労働を阻止しようとする企てにおいては、彼等自身および彼等の種族に対する義務を果たすにすぎない。彼等は資本の暴虐な横奪を制止するにすぎない。
 今日、工場条例が摘要されるすべての工業部門では労働日の限界が定められているが、そうした限界のある場合でさえ、労働の価値のもとの標準を維持するためだけにも、賃銀の値上げが必要となるかもしれない。労働の強度を増加することによって、以前に2時間に支出したのと同じ生命力を1時間に支出させられる、ということがありうる。労働の強度増大に照応する賃銀値上げを要求する闘争により、資本のこの傾向を阻止する場合には、労働者は、彼の労働の価値低下および彼の種族の頽廃と抗争するにすぎない。