「賃銀・価格および利潤」(15)

 十 利潤は商品を価値どおりに売ることによって得られる
 一商品の価値は、その商品に含まれている総労働量によって決定される。ところが、その労働量の一部分は、賃銀の形態で対価を支払われた価値に実現されている。またその一部分は、何らの対価も支払われなかった価値に実現されている。商品に含まれている労働の一部分は支払労働であり、一部分は不払労働である。だから、商品をその価値で、すなわちそれに用いられた総労働量の結晶として売ることにより、資本家は必然的に、利潤を得てその商品を売るはずである。資本家にとっての商品の生産費と、その現実の生産費とは、別ものである。正常的かつ平均的な利潤は、諸商品をその現実の価値以上にではなく、その現実の価値で売ることによって得られるのである。