「空想より科学へ」(20)

 エンゲルス「空想より科学へ」 三 [資本主義の発展]のラスト
 ここで、おさらいとして、資本主義の発展、資本主義的生産方法と取得とのあいだの矛盾、の必然的結果として、プロレタリア革命が語られる。

 われわれは結論として、われわれの述べてきた歴史的発展の跡を簡単に概括しよう。
 一、中世社会。小規模な個人的生産。生産手段は個人的使用に適したものであり、したがって原始的で、ぶさいくで、ちっぽけで、その力は恐ろしく貧弱である。生産は、生産者のため、または封建領主のため、直接消費を目的とした生産。この消費以上に生産の剰余ができた場合にかぎって、この剰余は販売に提供され、交換される。したがって商品生産がようやく発生したばかりである。けれども、社会的生産における無政府状態が萌芽の形ですでにこの内に含まれている。