「浄土三部経」(47)

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 アーナンダよ。かの<幸あるところ>という世界は、種々のかぐわしい香りがあまねく香っており、種々の花や果実が豊かであり、宝石の木々に飾られ、如来によってあらわし出された、妙なる音声をもつ種々の鳥の群れが住んでいる。(このあと、宝石の木々についての詳細な説明が続き、<幸あるところ>の美しさ、素晴らしさを讃える。)
 また、かの仏国土はあまねく、七種の宝石(秀註=金・銀・瑠璃・水晶・琥珀・赤真珠・瑪瑙)でできている蓮花に覆われている。一切の宝石の蓮花から百千億の三十六倍の光が現われ出ている。また、悉くの光線の先から百千億の三十六倍の目ざめた人たちが現われ出ている。その体は金色であって、偉大な人物に具わる三十二の特徴を備え、東、南、西、北、上下、四維の無量・無数の世界に行って、生ける者どもに法を説いているのだ。