「選択本願念仏集」(19)

 それ速やかに生死を離れむと欲(おも)はば、二種の勝法の中に、しばらく聖道門を閣(さしお)いて、浄土門に選入すべし。浄土門に入らむと欲はば、正雑二行の中に、しばらくもろもろの雑行を抛(なげす)てて、選じてまさに正行に帰すべし。正行を脩せむと欲はば、正助二業の中に、なほし助業を傍らにして、選じてまさに正定を専らにすべし。正定の業とは即ちこれ仏名を称するなり。み名を称すれば、必ず生ずることを得。仏の本願によるが故なり。