柳宗悦「南無阿弥陀仏」(12) その2

 帰命
 1 浄土宗 身命を阿弥陀に捧げる意
 2 真宗  阿弥陀の勅命に順う意
 3 時宗  阿弥陀の命根に還る意

 1 命を帰する  阿弥陀へ帰入
 2 帰せよの命(めい)  阿弥陀が帰せよと私たちに命ずる
 3 吾らと阿弥陀と未だ分かれざる根源へ 不二の境


 法然→人から仏へ
 親鸞→仏から人へ
 一遍 南無と阿弥陀とを連続の一語に解して六字を独一なる姿に仰いだ。不二の姿。人が仏に念仏するのでもなく、仏が人に念仏を求めるのでもなく、念仏が念仏している。