柳宗悦「南無阿弥陀仏」(11)その2

 凡夫が成仏する。
 一物の資格もないのが凡夫である。
 どうしても地獄に落ちると思うより致方がない。ところがどうあっても落ちると気附いたその刹那が、不思議にも蓮の台(うてな)に在ることを見るその刹那なのである。
 実に吾々は凡夫になりきれないから救われないのである。
 我執が絶える時が、浄土に迎えられるその時である。だから凡夫にこそ成仏が確約されているのである。

 凡夫が成仏する。
 一物の資格もないのが凡夫である。
 どうしても地獄に落ちると思うより致方がない。ところがどうあっても落ちると気附いたその刹那が、不思議にも蓮の台(うてな)に在ることを見るその刹那なのである。
 実に吾々は凡夫になりきれないから救われないのである。
 我執が絶える時が、浄土に迎えられるその時である。だから凡夫にこそ成仏が確約されているのである。