”Through the Gates of the Silver Key”(36)その2

 ヒンドゥ人は話を中断すると、四本の針と象形文字の記された文字盤をもち、地球上で知られるどんなリズムとも異なる狂おしい音をたてる、棺の形をした時計を、興味深そうに見つめた。
「ド・マリニーさん」不意にヒンドゥ人が学識豊かな主人にいった。「全身を覆い隠す<異形のもの>が、六角形の台座で詠唱しながら体を揺らした。そのとりわけ異界的なリズムについては、あなたに話す必要はないでしょう。あなたは<外なる延長部>を身をもって体験した、もうひとり−−いまのアメリカではただひとり−−のお方ですからな。あの時計ですが、亡くなったハーリィ・ウォーランがよく口にしていた瑜伽(ゆが)行者から、あなたに贈られたものでしょう。その瑜伽行者は預言者で、悠久の歳月を経たレン高原の秘められた遺産、すなわちイアン=ホーに行き、その恐るべき禁断の邑からある種のものをもちだした、現存するただひとりの人間だといっておりました。この時計に神秘的な特性がどれほどあるか、ご存知ですかな。わたしが夢や書物から得たものが正しいなら、<第一の門>について多くを知っていた者たちによって造られたものなのです。それはさておき、話をつづけましょう」そういって、師は話をつづけた。